2017年3月20日月曜日

多摩産材

東京都の企画する多摩産材を巡るツアーに参加。

伐採から、市場、製材所、多摩産材で建てられた建築を見て設計士の話を聞くというフルラインを見ることのできるバスツアーだ。

まずは、伐採現場へ。
昭和30年代に大量に植樹されたという杉。現在50年を経過し、切り出して利用すべき樹齢に十分達している。プロセッサーという機械で適切な長さに木を伐り、表面処理を行うさまがすごい。オペレーターと機械の匠の技だね。

海外からの輸入材に押されて、多くの木が伐採されずに残されている。見学した伐採場は道路に近くまだ切り出しやすいのだが、中には山奥過ぎて伐採するにはあまりにコストがかかり採算不可能な山もあるという。
昭和50-60年代、東京都の林業自体が立ちいかなくなり、都の補助事業を行い合理化しつつて存続していたようだが、現在は花粉対策として伐採した後に花粉の少ない杉を植え、環境への循環を作りだすという事業も含んでいる。

そもそも木は20年までに発育し、CO2を吸収して酸素を活発に出すが、30年にもなるとその活動が減るらしい。だから、切り出して新しい木を植えて循環させるほうがCO2自体を減らす効果が高い。切り出して建築などに使えば、吸収したCO2が再度大気に放出されずにしばらく固定化される。

山から木を伐採して、原木市場(多摩木材センター協同組合)へ。ここで、多摩産材の多くはセリにかけられる。逆を言えばここを通らなければ多摩産材の名前がつかない。もっとも取り扱いは普通の木で、銘木は別の民間のルートを通るらしい。都の補助事業がなくても経済ベースで成り立つからだ。

多摩産材の名前がつくというのは、認証されるということで、その大きなメリットはトレーサビリティ。どこで育ち、どこの業者を通って、どういう烙印を押されてという内容が流通過程まで追えるらしい。他にも国際的な認証があるらしいが、認証自体が高価で条件も細目にわたり利用するオイルなども限定されるらしく、ただでさえ経済ベースに乗りにくい一般材でそこまで求めるのは難しいとの声もある。が、オリンピックの一つの条件になっているらしく、一定の需要はこの2-3年は見込めるようだ。

伐採場から伐り出された原木は、原木市場ではセリ形式で、多くは製材所が購入していく。この原木市場では、主な原木は杉とヒノキ。断面を見たとき、中心に近いところが赤いものが杉。杉は柔らかく、加工性が良く、肌触りも良い。一方、ヒノキは固く、香りが良いといわれる。他にも出たものが扱われるが、モミ、ナラなどがあるようだ。
昔は家の通し柱というものが出ていたが、今はほとんど出ないため採算割れするので、4m以下が標準にしている。

製材所に言って、様々な加工現場を見る。
印象に残るのは以下の点
①木の節は枝が生える部分には必ずできるが、それを嫌うと原木1本から取れる木材はほんの少しだ。だから高価になる。
②乾燥には天然乾燥、機械乾燥(高温、低温)があり、その組み合わせもある。高温の機械乾燥は1-2週間で乾燥可能だが、脂分が飛びやすく、表面(?)の割れも生じやすい。
③一度製材するが、乾燥により反るので、また削ぐ。
④背割りを行い、ひび割れを背割り部分に集中させてほかの部分に起こさないように配慮する。
⑤無垢の床材は空くといわれるが、適切な乾燥等の処理過程を行えばある程度はおさえられると考えている。
⑥製材は大きなものを扱うので、設備も大きい。設備投資の負担も大きいと推察される。
⑦南の杉は年輪の間隔がひろがり、柔らかくまた乾燥の影響も受けやすくなる。



最後に多摩産材で建った建物を見学。

1年ほど前に建ったということだ。まず、木の温かみがいい。壁は杉材中心で、床はヒノキ。杉材は赤みが強かったそうだが、だいぶ落ち着いたと言っていた。割れも出ていた。床の空きもやはり見られた。でも、香りがいい。触った柔らかさがいい。なんとなく空気がいい気がするのは、それらの影響かもしれないが・・・。
軒天井の防火処置は厚板(?)の告示利用らしい。施工には結構時間がかかったということだった。


思うに
花粉症なので、花粉をまき散らす杉の木がはやく少なくなってほしいので、建築物に限らず利用を奨励したい。あとに植樹するのは花粉の少ない杉もいいが、ヒノキを植えればいいのではないかとも思うが聞き忘れた。(ヒノキも花粉の害はあるが・・・)
もっとも、樹齢50年を過ぎると花粉をまき散らさなくなる話もあるようなので(http://www.excite.co.jp/News/bit/E1453713331635.html)、とりあえずは、それに至る前の杉の伐採を優先してほしい。

木の建築はいい。
その香りや肌触りがいい。








2015年8月22日土曜日

http://www.s-housing.jp/archives/76459

2015年5月26日火曜日

断熱材メモ

材料には大きく2種類(A種、B種) さらにA種は1~3、B種は1~2に分類され、計5種類があります。 *「B種3」はない。 A種 ノンフロン A種1        A種2 A種3 RC造・S造・木造 冷蔵庫など 木造 ============================================= B種 次世代フロン B種1 B種2       RC造・S造・木造   冷蔵庫など

2013年10月9日水曜日