2013年7月9日火曜日

高断熱住宅で内部結露を招く危ない施工|日経BP社 ケンプラッツ

高断熱住宅で内部結露を招く危ない施工|日経BP社 ケンプラッツ:

高断熱住宅で内部結露を招く
内部結露を防ぐ大事な3要素は 断熱層、防湿層、気密層を連続させる。そのために気流止めを設けることもある。

①袋入り断熱材の防湿シートが不連続な部分。とくに配線が込み合うところは、欠陥を生じやすい。
②配管周り。壁を貫通する部分は機密テープでふさぐ処理が必要。配管を壁を貫通しないようにできればなおよい。
③間仕切壁の上部は防湿シートが貼りにくい。
④床には床用断熱材を使用する。床の断熱材は湿気が抜けるようにしなければならない。断熱材が垂れないようにベニヤなどを敷き詰めると、湿気が閉じ込められる。
⑤ボード状の断熱材の継ぎ目。下地を設置して継ぐ。ジョイントに直接テープを張ってもはがれやすい。
⑥配管作業で断熱材が傾き、気密性が失われているケース。
⑦LANケーブルで断熱材が十分充填できない。
⑧気密テープで漏気は防げても、断熱欠損は解決できないので、ウレタンなどの断熱も必要。
⑨基礎断熱を採用した温暖地の住宅で、完成後間もない冬季に、床合板の下面と土台にカビと結露が大量に発生。基礎コンクリートからは打設後半年程度の期間、多くの水蒸気が発散する。その水蒸気で湿度が高くなっていた床下が、基礎部の漏気と断熱材の密着不良で冷えた。換気されていなかった影響もある。
⑩細部の断熱(サッシと窓台やまぐさとの間など)を忘れた。窓周りはわずかな温度変化で結露しやすいので、アルミサッシはもちろん樹脂サッシでも注意
⑪工事中に雨でぬれた構造材に断熱材と防湿シートを施工すると、豪やんや根太にカビと結露を生じ床が黒くなったりする。構造材の含水率を確認してから施工すべき。
⑫浴室の床下を基礎断熱する場合、基礎に気密パッキンを使用し、人通口も塞ぐ。床断熱にする床下との間も同様。通気パッキンを間違えて使用しないように。
⑬断熱構造のユニットバスと壁の間に気流止めがない。床下の空気が壁内に入り込むと結露する恐れがある。省エネ対策等級4では、気流止めを設けるか、浴室の床下を基礎断熱にするよう求めている。
⑭断熱材の厚さ不足
⑮現場発泡ウレタンフォームは、結露水を含むと意味がない。糖質抵抗の高いA種1または2が良い。基礎断熱はプラスティック系ボードが良い。
⑯壁に吹き込んだセルローズファイバーの断熱層欠陥。充填不足。シートが張っていないとこうなりやすいようだ。

'via Blog this'

床断熱と基礎断熱について

床断熱と基礎断熱について:

'via Blog this' 以下抄録 床断熱と基礎断熱・・・床断熱は、床下の温湿度は床下換気口によって外部環境に影響されるが、基礎断熱は床下換気口がなく、密閉するのでいので外気の影響を受けず、室内環境の影響を受ける。 床断熱とは、建物の一階床下の全面に断熱材を取り付けて、外部の温度(熱気、冷気)の影響を受けないようにする工法。日本では一般的。床下の風通しを良くするために床下換気口を設置。 この工法は、断熱材が自重で下がり床材と断熱材の間に隙間が生じ、そこに冷気が侵入して、床材下部が冷やされ、充分な換気量を確保しないと、寒冷地では結露やカビが発生することがある。 気密化を図ろうとすると、 *貫通口、点検口の気密処理 *ユニットバス周りの気密処理 *間仕切り間の気流止め先張りシート *玄関の土間部分の周囲の土台回りに気密処理 など、特別に気密処理する箇所が増える。 基礎断熱とは、床下に断熱材を施工せず、建物の外周に面した基礎立ち上がりに板状の断熱材を施工し,床下換気口を設けない工法。 この技術は外国で生まれ、北海道の住宅で試行、検証された。(北海道立北方建築総合研究所) メリットとしては、 *外周壁の布基礎部分の気密化を意識するだけで気密施工が容易に出来るので、断熱気密性能を安定的に確保しやすい *基礎と土間のコンクリートは室温や地熱の蓄熱層として使えるので、省エネルギ―効果と室温の安定に効果(基礎内断熱より基礎外断熱のほうが、熱容量は大きい)夏は外気より低い温度の地熱により床はヒンヤリ感があり、冬は蓄熱で暖かくなる。 *床下空間は室内環境に近いため、冬季、床面の冷たさがやわらぐ *床下換気口が無いので、外からの湿気を取り込まず、床下結露,木材腐朽の防止に効果がある *床下収納庫 デメリットとして *防蟻処理の影響を受け易い・・・防蟻対策が難しく、シックハウスの恐れあり。  *基礎コンクリートの湿気が1年位は放散するので、対策が必要 *室内と床下の空気が循環する為、冷暖房をする気積(容積)が増え、光熱費が余分に掛かる。基礎断熱にしただけでは無意味で、床下暖房が必須(基礎断熱をしただけでは、床下は半密閉状態のままで、湿気が排出されないし、床下に断熱材が無いので、床が冷える場合がある。) 【出典:外断熱が危ない(P.27):西方里見】より・・・ 『 冬季における基礎断熱の床下空間は、17度前後です。室温が21度前後の時には床の表面温度は、18度前後になる。温度差が3度以上もあり、直接触れた時に冷たく感じるのは勿論ですが、冷輻射も感じられる。 筆者が基礎断熱を行う時は、床下に室内の空気を入れるようにしたり、暖房機を入れて床下暖房を行う。少なくとも室温と床表面の温度を同じにするか、1~2度高くすると、床面からの 冷輻射は感じられず、住む人の満足感が得られます。 』     床下暖房の種類 床下に暖房機を設置する・・・  ・床下専用ダクト付FF式ストーブ(強制給排気)   ・深夜電力型蓄熱暖房機、エヤコン・・・火事の心配が無い  ・放熱器・・・パネルヒーター(温水ボイラー、FF式ストーブ) 同時に1階床に設置したガラリを通して暖気を室内に呼び込み、緩やかな自然対流により室内の空気を暖める。 基礎断熱には基礎の外側に断熱材を貼る基礎外断熱と内側に貼る基礎内断熱がある。底盤面は地熱があるため、断熱施工はしない。  ・ 断熱性能の違いは、はそれほどないと言われている。  ・ 基礎コンクリートの劣化の違い基礎外断熱は外側に断熱材があるため、コンクリートの温度変動が少なく、クラックが少なくなり、中性化も防げる。しかし断熱材の外側は一般的にラスモルタルや樹脂モルタル等を塗って表面仕上げをするので、コストアップになり、その上、モルタルにクラックが入り、新たに シロアリの問題 が発生する。 (内断熱は断熱材をそのままで仕上げなくて良いというメリットがある。) 基礎断熱とシロアリ シロアリは、暗くて暖かい場所が好きで(風のあるところは嫌い)、柔らかい物が有ればそれをかじってでも「蟻道:ぎどう」 を作り 、木材に向かう。したがって、基礎の外側に樹脂系の断熱材を貼り付けると、樹脂自体は餌にはならないが、暖かくて暗く無風状態なので「シロアリの大好きな工法」 になりがちで、湿気を持ち込みながら樹脂内を食い進み、土台へ到達する。 また、床下空間が通常より温度が上がり、冬場でもシロアリにとって、住みやすい環境となる。 【参考資料】 木造住宅工事仕様書(住宅金融支援機構 P39)より・・・ *基礎断熱工法における注意点(2)・・・地中に埋めた断熱材は、一般的にシロアリの被害を受けやすいため、本工法の採用に当たっては、建設地周辺におけるシロアリの生息状況や被害状況等の実情を充分勘案の上決定すること. *断熱材の施工位置・・・イエシロアリの被害が想定される地域 (北海道、青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、滋賀県以外) では、地中に埋め込んだ基礎の外側の 断熱材が蟻道となる恐れが高いため、断熱材の施工位置を内側とするあるいは何らかの工夫をした上で基礎の外側に施工することが必要である。 温暖地では、コンクリートの劣化より、シロアリの問題 の方が重要。 基礎内断熱で立ち上がり基礎に断熱材を貼る場合、下部を2cm位隙間を空けると、万一のシロアリの侵入しても、目視点検で発見することができる。 基礎断熱と防蟻薬剤 室内空間が床下空間と繋がるようなプラン・・・例えば床下に暖房設備を設置し、土間コンクリートに蓄熱して暖められた空気を「床ガラリ」から室内に取り込むシステムにした場合、土台廻りの防蟻、防腐処理は不揮発性の薬剤や人体に影響のない自然塗料、断熱材に防蟻成分をふくませたもの、特殊な金網など、人の健康に配慮した対策が必要。 床断熱とシロアリ 断熱材が地面より高いところにあるので、シロアリの被害に合う確率は基礎断熱に比べると低い。 床下の湿気・結露対策 寒冷地の北海道は、梅雨がなく、夏場の湿気はあまり高くないので、床下の湿気にあまり神経質になる必要はないが、高気密高断熱住宅が全国に広まり、寒冷地で生まれた基礎断熱の考え方を、そのまま東京以西の温暖な地域に持ち込んだため、床下の湿気について新たな問題が発生するようになった。 基礎断熱と床下結露 土台と基礎天端の気密化を図った基礎断熱の場合、室内と通気できる様にして、床下空間と室内の空気を同質にしたり、床下に除湿器を設置して除湿の要あり。 また、床下の空気を攪拌しても除湿しなければ、床下の結露は防止できない。 その方法としては・・・ 1、床下に機械式強制排気設備を設置し、居室の空気を床下経由で屋外に排出する。 2、1階床に、「床ガラリ」を設置して、床下と室内を通気できるようにする。 3、床下に床下除湿機を設置して、除湿する。除湿機に湿度センサーをつけ、湿度が70%を超えると運転するようにセットした場合、6~9月の4ヶ月の間の約半日間運転して除湿する。(住まい方によって異なる。) 基礎断熱は、床下への外気導入量が少なく、冬季は床下の空気が乾燥(絶対湿度が低い)しているし、生活熱によって自然に室温が高めに維持されることから、床断熱の住宅に比べると床下温度が高く、結露は起きにくい。 但し、次のような場合は複合的に作用して、結露が発生することがある。 *基礎の掘り込みが少ない場合、基礎が低温になり、結露の可能性がある。 *竣工後、1,2年は基礎のコンクリートが乾燥しておらず、湿度が高くなるために、結露の可能性がある。 床断熱で基礎パッキンで換気するケースでも、床下結露をする場合がある。基礎パッキンは、従来の換気口に比べて約1.5~2.0倍の換気能力があり、 床下全域を乾燥状態に保ち、結露を防止する。(全周換気)しかし、床下全面に防湿シートを敷いたベタ基礎にして、下からの湿気を止めたとしても、湿気が多い(粘土質地盤、畑など、梅雨)場合、地下水位が高く水脈があるような場合、日中の温度差が大きく結露しやすい環境の場合は、基礎の温度が低くなり、高温多湿の日本では、基礎の表面が結露する可能性があり、水が溜まるという現象が起こる。 これは、しばしば、外部からの水の侵入と勘違いすることがある。(通常、夏の基礎の温度は20℃位) 水位を下げる、基礎部の防湿コンクリートの施工などの対策がある。 ユニットバスの床下の結露について  ユニットバスのメーカー の話によると、気密性が悪くてユニットバスの扉以外から湿気が漏れることは無いということです。 (戸建用とマンション用のユニットバスは同じ構造なので、湿気が漏れることが有れば、壁内に湿気が入るので、マンションには使えない。) 但し、床下断熱の場合、浴室周りの基礎パッキンの間から、夏は暑い、冬は寒い外気がユニットバスの床下部分を通って、室内の壁の中に入ってくる。その時、ユニットの床下部分の下側の断熱性が低いと、冬は早く湯が冷めるし、床下部分の表面が結露する。 その対策としては、次のような方法がある。 1、浴槽、あるいはユニット全体を断熱材で付加断熱する。(オプション)   そして、気密性を確保するために、浴槽周りを気流止め等の対策をする。 2、浴室廻りの基礎パッキンの穴を閉じて、外気の流入を無くして、基礎内断熱にする。   この場合、基礎天端のコンクリート露出部分の結露防止対策が必要。